
村上春樹4年振りの新作“1Q84”、読みました。
面白かったです。上下2冊で、久々に長く、約10日間かけ、村上作品が読めました。それでも(いつもの通り)あっという間に読み終わり、短く感じましたが...。なんせ長編小説としては、2004年の“アフターダーク”以来5年振りとくるので(その間に短編集やらエッセイやら回文集やらは出ていたが)、確かに待たされました。新作の事前情報を一切流さず、ファンの読欲をギリギリまで煽ったのもあってか、発売初日には瞬く間に本屋さんから上巻が消えて行き、ニュースにもなっておりましたね。100万部超とは、凄い数です。
友人に勧められ読んだ87年の“ノルウェイの森”以降、氏の小説は全作品をかかさず読んできましたが、いままでの作品の中では、今回はちょっとおとなしめだったでしょうか。いや、落ち着いてきたというべきか...。二人の主人公が交互に物語が進展して行く展開は、かつての氏の作“世界の終わりとハードボイルドワンダーランド(傑作)”を思い起こしました。ストーリー的には、97年の地下鉄サリン事件の被害者のインタビューをまとめた“アンダーグラウンド”とオウム信者のインタビューをまとめた“約束された場所で”が、おおいに作品に反影されているようです。心の闇、善と悪、生と死、食欲、性欲、暴力...といつも通りの題材は、もちろんたっぷり盛り込まれています。“ねじまき鳥クロニクル”の牛河さんも出てきますよ。
そして毎回楽しみな、作中に出てくる数々の音楽。今回はクラッシックに重きが置かれ、とくに作品冒頭から、作中も何度となく出てくるヤナーチェクの“シンフォニエッタ”は、読む者にとって、聴かずにはおれないでしょう。僕は、アンドリュー・デイヴィスという方が指揮をとるヤナーチェクのCDを、奥さまが図書館で借りてきてくれたので、それをiPodに入れ、聴きながら読んでおりました。奥さま、ありがとう。しかし、今回はいつもに比べると、比較的登場する音楽も押さえられていたように感じます。それだけストーリーに重きをおいていたのか。前回の“アフターダーク”の冒頭に登場したカーティス・フラーの“ファイヴ・スポット・アフター・ダーク”は、本当にインパクトがある曲だっただけに、音楽も落ち着いてきたのでしょうか。
作品については、まだ読んでいらっしゃらない方もいると思いますので、これ以上は何も申しません。興味のある方は、ヤナーチェクのCDを用意して、それをBGMにして読んでみることをお勧めします。
さて、春樹氏の次の新作は、いつ出るのでしょうか。気長に待つしかありませんが...。
あぁ、早く新作が読みたい。


0 件のコメント:
コメントを投稿